last modified 2000-01-30
高校生当時,テーブルRPGが静かにブームになっていました(少なくともわたしの通っていた高校では)。また文庫本の形でやるアドヴェンチャーゲームが随分と流布していたと記憶する。そんな中で『クトゥルーの呼び声』はそれなりに流布していたはずです。その解説書に,高橋葉介氏にクトゥルーの存在を教えていただいた,などという文字があればびっくりするのは当然であろう。現在ではもう製造中止で手には入らないだろうし確認できないかなあ・・・と思っていたが,ひょんなことから手に入れることが出来た。えのちゃんには感謝感激雨あられ(古い)(註1)。さすがにゲームをやる時間はなかなか取れないが,件の文句は確認することが出来た(註2)。
マンガ少年版夢幻紳士でかなり作品内容に惚れ込んでるのが,『夢幻少女』というタイトルの作品。詩のような台詞,感激して当時おもわずノートに写してしまった。しかもそれに曲を付けようとして四苦八苦した挙げ句,歌の入った曲というものを作る才能が自分には全く無いらしいということに気がつき挫折した。
クトゥルーネタといえば,案山子亭。Commentaries on Wichcraft(筆者所蔵の朝日ソノラマ昭和58年発行2版は,fが抜けている),Cultes des Goules,The Daemonolatreia,De Vermis Mysteriis,The Lider-Damatus,OccultusそしてNecronomicon!案山子亭のジイさんは「アブホース・・・・・・アトラク=ナクア」「アザトース・・・・・・バイアティス バイアグーナ」「チャウグナール=ファクグン クトゥグァ」「ボクラグヒプノス イオドコス」(註3-1)「ロボンナス=ホルタース」(註3-2)とつぶやきながら宿の外にたくさん立っている案山子に夢幻魔実也のとまる部屋番号のついた札をさげていく。結局ジイさんもバアさんも殺すつもりが逆に殺されてしまう。
案山子亭は昭和58(1983)年2月『漫金超』に,マンガ少年からの出張短編として掲載された。『クトゥルーの呼び声』日本語版出版時期,第8刷が1989年ということを考えれば,それはすなわち,高橋葉介の一連の作品からクトゥルーの存在を示唆された,ともとれますね。知合いだったのか,それとも本からの影響なのか,いまのところ断言できません。調べがつけばまたこの件については書きましょう。
さて,クトゥルーネタがばしばし(しばしばかな)出始めるといえば,夢幻紳士の怪奇編でしょう。しばらくしたら,怪奇編ででてくるクトゥルーネタをとりあげてちょっとしたコメントをつけてみたいな。
さてさて,クトゥルーに関しては,未だ良くわかってないんですが,1999年の冬コミで出した,煙草本『紫煙VOL.III』に, 「高橋葉介作品におけるタバコの扱い方に関する一考察」という文を載せました。たいしたものではありませんが,『紫煙VOL.III』の部数が 極端に少なかった(コピー本で30部しか刷らなかった)こともあるので,ここでHTMLにして載せておきます。
「最後に私にラブクラフトの名を教えてくれた2人の人物――高橋葉介氏と私の友人のM氏に感謝したいと思います。彼らがいなければこのゲームが世に出ることはなかったかもしれないのですから。」と記されています。
written by 睡魔