山岸君観察日記

last modified 2000-3-27


そのに

初期『学校怪談』(1〜5巻)における山岸君 *初期には名無しの妖怪がかなり多い。「なんとなく」怪談てのが多い。もっともいまだってそうかもしれない。
単行本巻数/話数/タイトル 山岸君の様子 登場人物名,妖怪名,*コメント
[1]第1話/潜むもの いじめっこを「相沢」の餌にする。細面。 山岸君,いじめっこ,相沢(人兼妖怪)
[1]第2話/赤い靴 登場せず 「由美」,と女生徒二名。赤い靴・手袋・帽子のサイズのあう女生徒を惨殺する殺人鬼。*ホラーバージョン赤い靴。
[1]第3話/眼 「飯島」の「眼」と「口」にいたずらされる 山岸君,「飯島」,飯島の体を移動する「眼」と「口」
[1]第4話/渡り蛇 「渡り蛇」をキスした女生徒に飲まされる 山岸君,女生徒,「渡り蛇」*夢幻紳士怪奇編「蛇」(怪奇編3巻所収)参照。
[1]第5話/少年ナイフ 「吉沢」を右手の銃で撃ち殺す 山岸君,両手がナイフの「吉沢」。「中宮」「暮村」「川田」(やられ役)*扉絵のヤマギシ君は妙にかっこいい。
[1]第6話/ぬいぐるみ 登場せず 祐樹奈々子,その両親(実体はくまのぬいぐるみ?)
[1]第7話/手 「朝倉みゆき」の首を引っこ抜く 山岸君,「今泉」,「朝倉みゆき」
[1]第8話/×印 登場せず 「岡田」,可愛い女の子,有吉先生,山下先生
[1]第9話/眠るな 山岸君,主人公兼妖怪!「百人近い」生徒や教師,さらに警官たちを引き裂く。しかも無自覚。 山岸君,「杉本」,「合田」,「吉本」,「新谷」,「鈴木」。*いまも眠るとまわりの人を引き裂いているのか?なんか鬱屈した不満でもあったのか?ヤマギシ。
[1]第10話/仮面 「仮面」に体をのっとられる。 山岸君,「赤城」,仮面。*手塚治虫のマンガであったなこういうの。
今回は「赤城」さんと良い感じ。仮面に言わされてるのか,「オレの心の声」なのか,「オマエノ体ガ欲シイ」とか言ってる。そういや一人称が「オレ」だ。
[1]第11話/花 頭に花の生えた「悦ちゃん」を慰めるが,最後に疎遠になる 山岸君,「悦ちゃん」,「吉井」
[1]第12話/ヤマギシ タイトルからして「ヤマギシ」。「ゴトウ」を結果的に死なせてしまう。 ヤマギシ,ゴトウ。*山岸君,フルネーム(山岸涼一)で登場。双子の心理かウィリアム・ウィルソンか。この回の山岸君は凛としててなかなか良い。
[1]第13話/助けて 自殺。多分助かんないだろうな。 山岸君の母上登場。*よく見たらこの回3頁目で「テレパシーじゃないかな」っていってるキャラは,玉川三樹夫の原形だな。顔がちょっと細面だけど。
[1]第14話/さわるな 「ナツコ」とディズニーランドでデートしとる。名前だけで登場はせず。 「ナツコ」,その友達,「毛むくじゃらの手」。*結構やな話。山岸君,危機に気づかず。
[1]第15話/保健室の怪 首だけになって「君も仲間にはいれよお〜〜〜」 山岸君,クラスの男子生徒,保健室の女の子(の首)。*あれ,また死んでる。
ていうか妖怪じゃんヤマギシ。熱が出てるのを表現しているウルトラQのイントロみたいなページでも,よく見たらさっきの玉川三樹夫みたいのがいる。
[1]第16話/穴 クラスメートや先生と一緒に校庭の「穴」に飲み込まれる みんな名前は出てない。よくみるとまた玉川三樹夫みたいのが・・・「ダッセーやつう」とかいってて,まあ別のキャラだな。
[1]第17話/吸血鬼 「吸血鬼」を花壇の「ヒヤシンス」とかいてある杭を使って刺すも,たばかられ,病院送り。 *葉介センセのマンガで,たまに出てくる吸血鬼ねた。参照,夢幻紳士怪奇編「吸血鬼」怪奇編1巻所収)。こっちはむしろ「吸精鬼」だが。
[1]第18話/恐い夢 登場せず 「エリ子」「ノリ子」「ユミ子」。顔中包帯を巻いて出刃包丁を持って夜道を追いかけてくる女。*キャラの名前が適当だなあ。エピソード的にはオーソドックス。
[2]第19話/お告げ 学校の屋上に書かれた文字のせいで殺されそうになる。 *山岸君以外は名前は出ない。最後のコマの台詞からすると「岸」という名前の奴がいたらしい。山岸君のかわりに殺されてしまうが。ビデオではずいぶん効果的に使われてますね,このエピソード。
[2]第20話/髪 「藤岡」さんの仇をとる。 山岸君,「藤岡さん」,「藤岡さん」を殺した男子生徒。*髪に導かれるとは,山岸君,外伝の魔実也氏みたい(夢幻外伝「冥王星」外伝1巻『死者の宴』参照)。この回,山岸君の住んでる家が全然違うでざいん。机も違う。金持ちそう。
[2]第21話/水辺の情景 川で「何かこの世のものでないもの」に足を引き込まれておぼれそうになるが,水辺にいる女の子の幽霊に助けてもらう。 山岸君,水辺にいる四人の幽霊,川の中にいる「何かこの世のものでない」「黒いモヤモヤとしたかたまり」。*山岸君の一人称で展開する話。幽霊にももてるらしい。なかなかしんみりとした短編。
[2]第22話/回転 名前は出てないが,明らかに山岸君らしきキャラは,事故で死んだはずの子の身代わりとなる。 *名前は出されていない。山岸君は死んでいる。
「あとがき」によれば,「髪」「水辺の情景」「回転」で純愛怪談三部作。「こういうのはきっとウケないだろーなとは思ったけど,描いておきたかった」ものだそうです。小学生には受けんかも。俺は好きだが。
[2]第23話/スイカお化け スイカにされてクラスメートと先生に食べられる。 スイカをオバケに見立てる話としては,かなりやな話。
[2]第24話/日記 図書館に入っていた「日記」のお化けに取り付かれ,電車に跳ねられる。 *峠美勒が立石さんを操ったときも(第114話「滅愛記」単行本7巻),日記がきっかけだったなあ。あとがきでは「なんとかひきのばしました」とか書かれてますが,全然そういうことを感じさせない短編。
[2]第25話/脳侵略 「ブレイン・バンド」によって「異星人」に脳を乗っ取られる。 山岸君,山岸君の母上,「蔵石君」,「ブレイン・バンド」を使って「脳侵略」を企てる「異星人」。*夢幻外伝「冥王星」外伝1巻『死者の宴』でも「精神体」が地球侵略を企てるという話がありますな。
[2]第26話/壁がある 「壁」にぶつかっている。マンガの中ではぶつかってるだけだが,多分この展開では死ぬことになるだろうな。 山岸君,「神田君」,「神田君」の母上,「先生」,「壁」が妖怪?。*妖怪に「好かれる」本領?発揮だ,ヤマギシ。
[2]第27話/カエル 「反町先生」と入れ替わったらしい「カエル」による,先生の解剖を見て腰を抜かす。 山岸君,「反町先生」,カエル(どっちがオバケだか…)。*「あとがき」で葉介センセがカエルの解剖やった話がでてます。俺はフナだったような記憶がある。
[2]第28話/おしゃべりな卵 山岸君傍観者。 山岸君,立石さん,鳥羽京子,「おしゃべりな卵」。*立石さん登場。山岸君と親しげ。扉絵を入れると11頁。単行本99頁に時事ねたが!オウムを騙ってハイジャック起こしたおっさんの事件だろうな,これ。雑誌で見たとき大笑いした。笑うとこぢゃねえか。
[2]第29話/マンホ−ル・マン 山岸君またも傍観者。 山岸君,下川隆平,下川隆平の継父,「マンホール・マン」。*地底キノコ,白い目の無いワニのステーキ食ってるが,いったい火はどうしてるんだろう?「マンホール・マン」は単行本2巻の見返しで,葉介センセの自画像になってる。
[2]第30話/骨喰い滝 「骨食い滝」の水を飲んで体が骨になる。死ぬなこりゃ。 山岸君,その友人二人,地元のおっさん。「骨食い滝」。扉絵が笑える。
[2]第31話/掘れ(Dig!) みんなで掘り返した校庭から出てきたセミのお化けにおしっこひっかけられる(みんなと一緒に)。 山岸君,立石さん,玉川三樹夫(にかなり近い。設定的にも)。セミのお化け。コミカルな話。
[2]第32話/炎天 「グラマー」な女の子と彼女を自殺に追い込んだ教師に炎天下の校庭でとり憑かれる。 山岸君,「グラマー」な女の子(の幽霊),彼女を自殺に追いやった教師(の幽霊)。*「輝く太陽も健康的な生活もくそくらえ」「夏なんか大嫌いだ!」ってのは葉介センセの心の叫びか?
[2]第33話/人魚 台詞なし。人魚の女の子と仲良くなり,上着を取られる。 山岸君,人魚。*「あとがき」に描いてある落書き調の人魚は,五島勉『ノストラダムスの大予言』(祥伝社,1973)初期の赤背版に引用されてたあやしいタブロイド記事みたいだ(参考文献:志水一夫『トンデモ・ノストラダムス解剖学』,データハウス,1998)。
[2]第34話/座敷童子 山岸君,またまた傍観者。 山岸君,中井有紀,座敷童子。*古典のリメイクだが,葉介センセならではの演出。山岸君夢でみるだけ。
[2]第35話/契約 「秋山」の契約のおかげで,あの世に行きそうになる。「秋山」が契約は無しだ!と言ったおかげで助かる。 山岸君,「秋山」,海で水死した人たちの幽霊。
[2]第36話/蛭(ひる) 蛭になった肥田に体を乗っ取られる。 山岸君,山岸君の母上,肥田君,蛭のお化け。*「肥田」は,ヒルタからの連想だろう。「あとがき」の「吸血怪獣ヒルゴン」て見たこと無いなあ。だれかビデオとか持ってないかね。
[3]第37話/ごろんごろん 山岸君,勘がさえてる。妖怪ごろんごろんからうまく逃れる。 山岸君,妖怪ごろんごろん。*「あとがき」に,「狭いトンネルや通路を,床から天井までいっぱいの巨大な怪物がゴロゴロと転がりながら追いかけて来るという幻想は,ラヴクラフトの『狂気の山にて』の中に出て来たと思うんですが」とあります。インディ・ジョーンズと,あとは夢幻紳士「男の純情は花一輪」(夢幻紳士回天編所収,徳間版10巻)しか俺は思い浮かばんかった。
[3]第38話/影男さま 山岸君,またまたまた傍観者(「パイプのけむり」みたくなってきたな)。 山岸君,野島君,月岡景子,影男さま。*山岸君脇役。昔コミックジャスティスに載った影男とは別者。作品集と,『学校怪談』って?の立石双葉の項参照。顔面スライスはクレイジーピエロの人間真っ二つを思い出させます。
[3]第39話/化けの皮 「佐藤先生」の化けの皮を剥ぐ「名探偵君」 山岸君,佐藤先生,及川先生。ぬいぐるみ(?)。*そうかあ成田亨に…捨てちゃったかもしれないデザイン画,見てみたかったなあ。
[3]第40話/葬式団 オチからすると,「葬式団」に殺されてそう。 山岸君,山岸君と親しげな,死んでしまう女の子,「葬式団」*「ここに愛の手を」(『腸詰工場の少女』所収)を思い出した。
[3]第41話/むじな のっぺらぼーの話を聞かされる。最後に真悟君に話せてよかったなあ。 山岸君,「真悟君(名字はわからん)」。*古典のリメイク。電話で話しちゃう,ってのは,18話「恐い夢」(単行本1巻)でもあったな。
[3]第42話/お守り袋 女の子の「お守り袋」を拾う。「お守り袋」の中にいるものに気に入られる。 山岸君,顔は真悟君の同級生,お守り袋(守り神?入り),その持ち主だった女の子。*自分だけ助かる。うーん。もしいまでもこれ持ってたらあんなに簡単にだまされないよなあ,山岸君(第161話「おめでとう 当選です」とか)。
[3]第43話/口裂き女 口裂き女をからかう 山岸君,口裂き女。*この回の山岸君は妙にかっこいい。ビデオ版はこの回あたりとイメージが似ている。
[3]第44話/マナコさん 傍観者 山岸君,そのガールフレンド,マナコさん。*ほんとに山岸君,見てるだけ,の回が多いなあ。
[3]第45話/溶怪 メッセンジャー 山岸君,溶かされた女の子,新任の若い化学教師。
[3]第46話/月の光 オオカミになりかけるがあぶなく回避 山岸君,そのガールフレンド,『月傘』売りの妖怪。*雑誌掲載時に見て,なんかいいなあ。これ。短編の名手の本領発揮って感じで。と思ってました。
[3]第47話/門番 これもメッセンジャーのような役回り 山岸君,『門番』,死んでしまったらしい女の子。*門番かっこいいなあ。こういうなんとなくかっこいいデザインって描けそうでなかなか描けないんだよな。この回の山岸君の家は妙に立派。
[3]第48話/サンタが街にやってくる 『サンタ』に連れ去られる 山岸君,みっちゃん,サンタ(の妖怪?)*山岸君,この回によると「リョウちゃん」と呼ばれていたらしい
[3]第49話/白と黒 ガールフレンドらしき女の子を助ける 山岸君,そのガールフレンド?,サチュロス(パーン?)*ブリーフ派だったのか。ヤマギシ。なんかこの妖怪,「人」がいいなあ。
[3]第50話/かくれんぼ なまはげにからまれる。たぶんこの展開だと死ぬな。 山岸君,なまはげ,その協力者?の女の子。*かわいいな,なんかこのナマハゲ。あとがきで葉介センセが書いているなまはげくん人形,ありそうだなあ。売ってるかも。
[3]第51話/雪女 凍死か助かるか。口が軽くて永遠連鎖 山岸君,ガールフレンド?,涼君ママ,雪女。
[3]第52話/かまくら 死んだか,廃人か 山岸君,爺さん妖怪。*シュールな話で好き。カマクラが出てくる話って結構あるなあ。第153話「雪入道」とか。こっちはお笑いが入ってるが。夢幻紳士スチャラカ編でも,あったよな(飛翔編「幻の雪山」とか)。
[3]第53話/猫坂 微妙だ。霊感だとすれば無事だろう。でももしかしたらこのあとやっぱり死んでしまうのかも。 山岸君,ガールフレンド,猫の妖怪。*あっ!三丁目の坂だ!この坂よく出てくるなあ(最近だと第202話「霊感熱」とか)。ネタの展開としてはかなり似てるよな。53話と202話って。この回についてのあとがきのところにある招き猫の絵,らぶりぃだ。
[3]第54話/隠しごと 語り部みたいなもの。ギャグキャラ。 山岸君,そのガールフレンド,鶴田光(ツルピー)〔先生〕,姫野琴子〔先生〕。*ヅらなのよ〜〜って台詞見て,赤頭巾チャチャ思い出したのは俺だけか?ていうか高橋葉介の読者で赤頭巾チャチャ読んでた若しくは見てた人っているのかなあ。あれ好きなんだけど。りぼんの連載まだ続いてるはず。単行本でしか読んでないけど。
以下は作成中

そのいち

山岸君の観察日記は,学校怪談の中での山岸君の動向を,データとしてまとめていきます。基本的にコメントは短めのものを付けるだけにします。誤りなどあれば,仮想井戸端会議室メールでご指摘ください。

[BACK TO INDEX ] [ BACK TO YOUSUKE TAKAHASHI INDEX ]